2005年07月08日

空白・デジログからあなろぐ より再転載

"デジログからあなろぐ"で、「空白」の劇評が再アップされたようなので、
転載します。作品についての感想が、より詳しく書かれています。
好意的なコメントでもないんですが、
これだけの量、具体的に不満点など書いてもらえると、
とても嬉しいですね。

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デジログからあなろぐ より
http://www.sf.cs.tuat.ac.jp/~yositosi/analog/archives/000432.html

劇団印象-indian elephant-の第4回公演「空白(そらしろ)」を江古田ストアハウスにて鑑賞してまいりました。
劇団プロフィールを観ると、最初の頃は言葉遊びを多用した舞台作りだったそうですが・・・最近は、言葉にこだわった「エッチで、ポップで、ドキュメンタリー」な芝居でオリジナリティーを確立すべく奮闘中とのこと。
実は、こちらの劇団の作・演出の鈴木厚人氏のブログ「ゾウの猿芝居」を知っていて、時に辛口で芝居を批評している方ですが、そういう芝居以外の情報を頼りに舞台を観に行くという事はなかなか無いので、ちょっと不思議な感じでした。

お芝居の方はというと、オリジナリティーはまだまだという感じ・・・言葉の使い方は面白くて、野田秀樹の言葉遊びとは全然違う意味でのセンスはところどころに。
比喩の使い方が独特という感じです・・・作家の方は、広告関係の仕事をしていたらしく、もしかしたらそのあたりの力量は培われているのではないでしょうか?コピーライタ的・・・。

そういう言葉の面白さが垣間見えるにも関わらず、全体的には弱さが目立つ。
オリジナリティーの追求中ということでしたが、個人的には言葉の面白さを中心に構築すれば、それはきっと独特なものになるような気がします。
野田秀樹のフォロアーとしての野田不出来な作品だった為に、野田路線は止めたそうですが・・・私個人的には、あの手の路線で活動している人達がいない事が寂しいと感じている身なので、できればそっち路線で頑張って欲しいと思うのです。
野田秀樹があまりにも強大で、手法として全ての特許を有していると思われるほど、ありとあらゆるやり方を食い尽くしているように思われますが・・・野田秀樹自身も、作品を生み出しつづけているのは野田不出来だからで、きっと野田不出来であることは悪い事では無いはず。

当初、その路線で始めたスタンスをたった数回の公演で諦めるのは、勿体無い気が・・・。

今回の作品は言葉の面白さも残しつつ、物語としてかなり正統なものになっていた。
楽天家の男が、今の奥さんと昔の奥さんの間で、誤解を生み出しながら、昔の奥さんの恋を応援するんだか、しないんだか?っていう話。
笑いにするでもなく、シリアスにするでもなく、リアルにするでもなく、虚構でもない・・・日常の風景の中から、冷蔵庫という何気ないものを拡大解釈させる試み。
冷蔵庫に欲望を重ね、空虚を重ねる・・・冷蔵庫という道具にフューチャーしているのは面白いけど、やはり日常を抜けきれずに、折角の冷蔵庫が活かしきれていない。

そして、同程度の物語は世の中にいっぱいあるし、ハッキリ言ってしまって、今更演劇で消費する必要の無いタイプ。
演劇である事の価値というものを考え抜いて欲しいと思うのです。
全体の作り込み、スタッフワークから始まる部分も、学生レベル・・・演劇という世界で評価される為には、まだまだ超えなければいけない部分は多いように思いました。

ブログで書いている内容と舞台で表現される主張が、あまりにも乖離していてちょっとビックリしました。
もっと、作家の思想が組み込まれた作品になる筈と思っていたのですが・・・語れることを、表現することは、そうは簡単ではないようです。
posted by 鈴木厚人 at 13:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 印象のNEWS! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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