2005年03月14日

或るタイピストの悲劇 -ナブ・アヘ・エリバのわからなさの面白さ-

今週は五つもお芝居を観た一週間だったのだけど、
私が一番面白いなあと思ったのは、
ナブ・アヘ・エリバの「或るタイピストの悲劇」だった。
東大の駒場小空間でやっていた舞台で、
だからカンパ制で500円。でも、とても面白かった。

これがまた、わからないお芝居であった。
これは完全に不条理劇であると思う。
まず、どこか西洋の国のとある町のとある部屋で、
タイピストとその友人が、立ち話をして、
そこから不条理チックに役者達が現れ出てくる。

すると、何かの食料品の配給の審査会みたいのが始まって、
審査役の女性2名の前で、外国名で呼ばれる男達が、
取りとめもなく話し始める。(内容は覚えてない)
スタンドマイクに向かって話す様は、
なんとなくチェルフィッチュのスタイルで、
しかも、面白い。つまり笑ってしまう。
男達は、7人ぐらいいて、
一人ずつしゃべっては消えてを繰り返す。
合格を認められると、
ごま油だの、フライパンだのをもらっていく。
いつしか、話題がハンバーグの話になって、、、
突然、鈴木メソッドな感じでやり出す役者が現れて、、、
後は、あまりよく覚えてないんだけど、
とにかくテンポがとてもよかったのだよね。

大変面白かったので、終わった後に、
役者の方にお話を伺ったところ、
いろんなものに影響を受けて、
それをミックスしながら作演してる、
ということだった。
たしかに、パーツパーツではパクリなのかもしれないけど、
(それもわかりやす過ぎるパクリで)
構成に絶妙なバランスとセンスの品の良さがあったなあ。

役者も意味がわからず、何度も聞いてやっと・・・
と言っていたから、お客でわかると実感できる人はまずいないだろう。
でも、面白かったというところを、私は大切にしたい。

ただ、宣伝をまったくしていない、
というこの劇団の態度にはちょっと腹が立った。
こういうわからないけど面白いという類の芝居こそ、
面白さをわかってもらう努力をすべきだし、
とにかく観てもらうという努力をもっとすべきだと思う。
何を言われようとも、観てもらうというところかお芝居は始まるのだ。

P.S.
チェルフィッチュや鈴木メソッドは、
演劇用語であります。
わからなかった方は、Googleで調べてみてください。
posted by 鈴木厚人 at 11:43| Comment(0) | TrackBack(1) | 舞台レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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