2005年03月14日

"キャベツの類"の八百屋的レビュー

全くもって、またわけわからないものを観てしまった。
五反田団の"キャベツの類"である。
前作が「いやむしろ忘れて草」だったから、
この作家は、植物的な感性を持っていると、
勝手に誤解して、八百屋的レビューを書いてみたい。

"キャベツの類"は、僕が観たところ、
まず、舞台装置に公園にあるようなブランコが二つあって、
自分の記憶がキャベツになった男がいて、
自分の記憶を青虫に食べられつつある女がいる。
この二人は、夫婦ぽいのだが、
本当に夫婦なのかはわからない。
息子と娘も出てくるが、
これも彼らの本当の子供なのかもわからない。
そして、神様が出てきたり、
ファミレスの店員が出てきたり、
ダンスの先生が出てきたりする。
というわけで、設定から既にもうわからないのである。

よって観客は、
これは論理的に観てはいけないのだときちんと理解して、
頭のスイッチを左脳から右脳に切り替える必要がある。
切り替えると、これは、
ダリの絵みたいな演劇なのだということがわかってくる。
もしくは、3歳児にとっての八百屋のような演劇。
思い出してほしい。
あらゆる野菜に囲まれた八百屋はかつて、
虹色のアミューズメントパークだったはずだ。
色も形も多種多様、3歳児は意味に囚われないから、
そこから好きなようにイメージの断片をすくい上げればいい。

だが、私はもはや3歳児ではない。
だから、イメージの断片をすくい上げ、楽しむには、
残念ながら意味の助けを借りないとならない。
ここに"キャベツの類"を楽しめるか否かの鍵がある気がする。

正直私は、全体としてはあまり満足できなかったのだ。
私が面白い演劇だなあと思うものって、
強調と省略がすごくはっきりと表現されているものだから、
その意味では、とても面白かった。
例えば、人間が巨大化していくというのを、
役者の声の大きさと、見上げていく首の傾きで表現するところとか、
やっぱりすごく面白かったのだけどね。

意味的な面白さと、無意味的な面白さの、絶妙なブレンド具合が、
前作「いやむしろ忘れて草」はすごく良かったと思う。
多分、興味の方向性が違うんだということだと思うのだけど、
そこは好き嫌いなんだろうね。
posted by 鈴木厚人 at 11:02| Comment(3) | TrackBack(4) | 舞台レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
トラックバックありがとうございます。
なんだが文字化けしていますね。

もしよかったら、再度、
トラックバックをいただけますでしょうか。
Posted by 鈴木厚人 at 2005年03月14日 13:09
TBありがとうございます。
「この作家は、植物的な感性を持っていると、勝手に誤解して、八百屋的レビューを書いてみたい」って面白いですね。
Posted by しのぶ at 2005年03月14日 18:17
>しのぶ さん

トラックバック&コメントありがとうございます。
前田司郎さんって、やなぎぽい植物人間ですよね。
Posted by 鈴木厚人 at 2005年03月15日 01:46
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