2005年03月08日

生きているのは健康に悪い

風邪を引き、そして、吐いた。
ブルーレットの青い液体が溜まった便器に向けて、
勢いよく、腹痛の原因を吐き出す。
久し振りの快感、以前に嘔吐を経験したのは、
2003年の3月30日だったように思う。
約2年振りの快感に私は文字通り、身震いがした。
同時に、大人になったものだとも思った。

全ての行為には、技術的快感がある。
吐くことでさえ、それは例外ではない。
余裕のある大人は、吐き気をもよおした時に、
いきなりトイレに駆け込むようなことはしない。
まず、
やや大きめなグラスを食器棚から取り出し、水道水を注ぐ。
中産階級以上の家庭なら、ミネラルウォーターでも構わないが、
その場合には、グラスもワイングラスにすると、気分が高まるだろう。
グラスに水を注いだら、トイレのドアを軽やかにノックし、
誰もいないことを確認して、便器の前にひざまずく。
そして、用意した水を一気に飲み干し、便器にあなたのご尊顔を突っ込むのだ。
ここまで一連の動作をすべらかにこなすと、
嘔吐という最終結果がついてこないことがある。
その場合、右手の人差し指と中指をくっつけて、喉の奥に突っ込むと、
胃から、ノアの箱舟よろしく、大洪水が押し寄せてくるという按配だ。

ちなみに、水を飲むのは、
胃液で喉や食道の粘膜を傷つけないためと、
嘔吐物の臭いを少しでもやわらげるためである。

長く生きていくと器用にだけはなっていく。
食べて、寝て、働いて、飲んで、
仕事も、恋愛も、器用にこなすことを覚えていく。
もちろん、気持ちよく吐けるようにもなれるし。
生きているのは健康に悪いね。
posted by 鈴木厚人 at 14:59| Comment(0) | TrackBack(0) | つぶやき手帖 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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