2005年12月22日

ノーマンズ・ランド -アンチ三谷幸喜的コメディー-

あれだけ物語の流れが、
登場人物たちの和解へと向かっているのに、
結局、最後は殺し合って、メインのキャラ2人が死んでしまう、
そこがいい。


と、ある友人に言われ、見ました。「ノーマンズ・ランド」。
ちょっと前なんだけどね。いやあ、面白かった。
いわゆる1シチュエーション・コメディーで、
だから比較しちゃうんだけど、アンチ三谷主義?を感じた。
以下参照:笑の大学とイラク人質問題
http://inzou.seesaa.net/article/934502.html


戦争ものの話を、コメディーっていいよね。
キュウリみたいにクールに描かれててました。
旧ユーゴの戦争の悲惨さは、いろんなとこで聞いていて、
例えば、高校時代クロアチアの女に振られた、セルビアの男が、
戦争が始まった途端、軍服着て攻めていって、その女をレイプしちゃうとか、
人間の心の中に隠れていた憎悪が、身近なところへ出て行く、
そういう戦争だったみたいで、いや、戦争そのものがそういうものか。

ただ、そういう身近な憎悪って、
対をなす身近な友情と紙一重で、
この映画は、そこをすごくうまく描いてたと思う。
前のエントリーから言葉を借りれば、
主義主張にズレがありつつ、
・今の場所(中立地帯にいて、地雷が爆発してしまうから動けない)と、
・過去の時間(ボスニア兵の昔の彼女がセルビア女で、セルビア兵の知り合いだった)
の共有によって、二人の心に友情が生まれるところが、素晴らしい。
その友情が、
・今の場所(中立地帯といっても、戦場は戦場)と、
・過去の時間(ボスニアとセルビアの民族対立)
によって、憎悪に、身近な友情が身近な憎悪に戻ってしまい、
最後に殺し合う、そこがまた素晴らしい。
三谷幸喜だったら、最後、和解させると思うんだけど、
この監督は、しないのだ。

また、登場人物の出ハケも絶妙で、
1、当事者(ボスニア兵2人とセルビア兵1人)の登場。
2、部外者1(国連の現場の兵士)の登場。
3、部外者2(ジャーナリスト)の登場。
4、部外者3(国連のお偉いさん)の登場。
5、部外者3、2、1、の退場。
6、当事者2人が死亡。
7、当事者1人が、地雷の場所に、1人取り残される。
という具合に、部外者レベルが低い順に出てきて、
高い順にハケていくところがまた、素晴らしい。
posted by 鈴木厚人 at 12:20| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こら、まだ見てない人が楽しめないでしょ、こんな書き方したら。
ネタバレは慎むように!映画ファンあるまじき行為ですよ。
Posted by ゆ at 2006年01月03日 01:34
>ゆ さん

コメントありがとうございます。
ゆ さんは、あの"ゆ"さんかな?
ブログでも、ネタバレ、ダメなんですか?
厳しいなあ。
Posted by 鈴木厚人 at 2006年01月03日 20:50
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